風の行方

amabile

ずっと書きたいなーって思ってたシアンちゃんと紅音でお買い物!
ほもに行き詰って可愛い女の子書いてリフレッシュ☆
女の子同士でキャイキャイしてるの可愛いですよね!
いや、紅音はキャイキャイってタイプじゃないけれど(

前期(21期)だっけ…10代後半だったシアンちゃんが修行するのにロイ君に呪いかけてから村?に帰った後、20代前半になって戻ってきたって設定で。
― amabile― 

「あ、これ可愛いー!」
 シアンは白い百合のコサージュに瞳を輝かせた。
「白百合の、花嫁……似合いそう、ですね……」
 紅音が無表情で淡々と口を開いた。パッと見つまらなそうにも見えるが、纏う空気が柔らかい。
 元々強引なところがあって相手の反応を気にしないところのあるシアンだが、紅音は表情が変わらなくても纏う空気で感情が動いているという事を知っている。
「は、花嫁……い、いや、そういうのを抜きにしても可愛いなってっ」
 だから、つまらなそうでも、からかうでもなく、本心で言っているだけだという事に、シアンの顔が赤くなった。
 シアンが結婚する事になったという報告をしにきて、買い物に行く事になったのだが、いつも通り淡々としている紅音の前ではそれほど実感が湧いていなかったのである。
 改めて言葉に出されると急に気恥ずかしくなってしまったのだ。
「赤くなる、シアンさんの方が、可愛いです、よ……?」
 これを素で言っているのだから余計に性質が悪い。
「も、もう! 紅音ちゃんはそうやってー!」
 表情の動かない紅音と顔全体で感情を表に出すシアン。
 対照的ではあるが、『ウマが合う』というのはこういう事を言うのだろう。
 相手の顔色など気にせず口に出してしまい、世渡りが上手くない紅音の性格はシアンにとって小気味良く、外見と技術のせいで気安く触れられない高嶺の花のような扱いを受けていた紅音にとっても、遠慮なく言いたい事を言ってくるシアンは気持ちが良かった。

 あまり表情が変わらずに誤解されがちな歳の離れた友人は、シアンが10代の頃からの付き合いになる。
 ちやほやする大人達とも、妬んで下らない嫌がらせをする同年代の子達とも違った。
 穏やかだが時に厳しい物言いもする。恋人に一方的な別れを告げられて沈みかけた時も、優しく諭してくれた。
(頑張ろうって思えるキッカケくれたんだよね……)
 あれからどれくらいの年数が経っただろうか。3年を繰り返す世界にいる為、紅音の見た目は殆ど変わっていない。
 一度修行の為にその巡りから抜け出し、その時から伸ばし始めた髪は随分伸びている。
 戻った自分を「綺麗になりましたね」と迎えてくれた。
 変わらない友人――。

「……これ、似合いそう、です……」
 シアンの考えなど何処吹く風、紅音がマイペースに何かを持って近付く。
 手には、薄絹とオーガンジーが重なり合う淡い緑の薔薇のコサージュ。
「緑かぁ……そういえば緑系のアクセって持ってないかも」
「ちょっと、持ってて下さい……」
 自分の持っているアクセサリー類を思い出しながら呟くシアンに、コサージュを渡した紅音は背後に回り込んだ。バッグからヘアゴムを取り出して手首にはめる。
「……失礼します、ね……」
 一言口を開いてから、長く柔らかな桃色の髪をそっと纏めて、シアンの左側に移動しながら纏めた髪を横に流すように持ってきた。
「?」
 シアンは大人しくしながらも、内心で首を傾げる。
「…………」
 無言のままの紅音が胸上くらいの位置で、髪に余裕を持たせながらヘアゴムで髪を纏めた。
「有難う、御座います……」
 シアンの手からコサージュを取った紅音が少しだけ身を屈める。髪の結び目にコサージュを当て、
「ほら……シアンさんの、髪と合わせると、薔薇が葉のようになって、髪全体が、お花みたいじゃない、ですか……?」
 小さく首を傾げた。
「可愛い! やっぱり紅音ちゃんにアクセ選んでもらうの正解だわ!」
 シアンの顔に満面の笑みが広がる。
 ステージ栄えを気にする踊り子である紅音ならば、自分の思いつかないような組み合わせをしてくれそうだと思っていた。
「それなら、セットも簡単、ですし……」
「うん! 忙しい朝でも簡単ね!」
 会計に行こうと紅音の手からコサージュを取り、ふと店の片隅で所在無さげにしている恋人が目に入る。
「ロイー! 見て見てー、紅音ちゃんが選んでくれたのー」
 可愛いでしょ、とコサージュを髪の結び目に当てて自慢げに笑顔を広げた。
「随分印象が変わるなぁ……流石は紅音さんだ」
「ねー、紅音ちゃんと一緒にきて大正解よ」
 普通なら、自分の恋人が他の女を褒めたらいい気分がしないものではあるが、逆にシアンはドヤ顔である。ロイが紅音を尊敬してると知っているから、羨ましいだろうといわんばかりなのだ。
「俺も女の姿になったら紅音さんに選んでもらえるのかな……」
 ロイが真剣な顔でぼそりと呟く。
「そこまでして紅音ちゃんに選んでもらいたいとかキモいわよ」
 シアンの口からは呆れたように溜め息が漏れた。


「ほ、ほら、財布必要じゃないか? な?」
「何よ、女の子同士の買い物についてくる気?」
 ロイが遠慮がちに口を開くと、シアンは呆れたように眉を顰めた。
 昔からこの男は紅音に心酔している。元々綺麗な女の人に弱いところはあるのだが、穏やかに傷口を抉るような事を平然と言われて以来、何かに目覚めてしまったようだ。その素振りを出すと紅音本人からは距離を置かれてしまうのだが。
「……では、ロイさんには、女性のエスコートを、覚えて頂きましょう……?」
「えー……まぁ、紅音ちゃんがいいならいいけど……」
 助け舟を出すように紅音が提案すると、シアンは不満げに唇を尖らせる。
『荷物持ちいた方が、手が空いて、買い物もしやすい、でしょう……』
 そっとシアンの腕に紅音が触れると、脳内に声が流れてきた。
(あぁ、なるほど。荷物持ちって言うとロイ嫌がるもんね)
 紅音の思惑を理解したシアンの顔から不満が消える。
「エ、エスコート……ですか……?」
 今度はロイの眉間に皺が寄った。
「……腕の筋肉、鍛えられると、思いま……」
「マジですか! ばっちりエスコート覚えさせてもらいます!」
 紅音が言葉を言い終わらないうちに、瞳を輝かせたロイの言葉が重なる。
(ちょろ! 紅音ちゃんってロイの扱い上手いなぁ……いや、ロイに限った話じゃないっぽいけど。今度教えてもらおう……)
 シアンは、不満げな相手をさらりと乗り気にさせてしまう巧みな人心掌握術に、嫉妬どころか尊敬を覚えていた。


「そういう髪型だとお淑やかに見えるな」
「何よ、私がお淑やかじゃないみたいな言い方ね」
 まじまじと呟くロイに、シアンの眉間に皺が寄る。
「は? 自分でお淑やかだと思ってんのか?」
「巫女としてお勤めしてると、『あんなに元気すぎた娘が、随分お淑やかになって巫女の風格が出た』ってみんな言ってるんだからね!」
 2人が口論になりかけた時――、
「そろそろ、食事に、行きましょう……?」
 紅音が口を挟んだ。
「あ、そうね。私お会計してくるから、ちょっと待ってて」
「済んでます、よ」
 シアンがレジに向かおうとすると、何気ない顔で紅音が止める。
「あ、えっと、じゃあ代金を……」
「……ご結婚、おめでとう、御座います……」
 我に返って財布を出そうとしたシアンに、今まで全く表情を変えなかった紅音が、ふわりと優しく微笑んだ。
「……」
「……」
 思わずその微笑に見惚れて言葉を失ってしまうシアンとロイ。
「行きましょう、か……」
 紅音は微笑んだままそれだけ告げると、2人を置いて一足先に店から出て行ってしまう。
「何あれ男前すぎる……惚れそう……」
 呆然とロイが呟いた。
「駄目よ! 紅音ちゃんは私のなんだから! てか、そもそも見習うべきところでしょう! エスコート覚えるんじゃなかったの!?」
 ロイの声で、ハッと我に返ったシアンが紅音の後を追う。
「いや、俺に今のはちょっと無理かな……」
 男として完敗してしまい、哀愁を漂わせるロイも2人の後を追った。

***
ロイ君とシアンちゃんの喧嘩っぷるが可愛くて大好きです!
だから付属品のようにロイ君がいます(

紅音が女の子には天然たらしっぽいな!
男はからかって遊ぶか利用するものだけど、自分に懐いてくる年下の女の子は可愛いって思ってるタイプだからロイ君の扱いが酷いね!
どえむなロイ君を下手にからかうと悦ばれてキモいので、利用するだけ☆
人様んちのお子さんをキモい変態にすんのやめなさい私(

この後、コサージュのお礼にってシアンちゃんが紅音に服選んであげる(当然のように支払いはロイ君)の予定はあったのですが…
シアンちゃんが「こういうの似合うと思うの!」って体のライン目立つタイト系な服を選んで、試着して「動き辛い」ってちょっと困ってるのとか、シアンちゃんがトイレにでも行ってる間にちょこっと紅音とロイ君の会話をとか私の脳内にはあったんですよ
が!
服装描写するのに、服装センスがない&服飾用語明るくないという致命的な欠陥により葬り去られました(照
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02/05(日)00時00分 |SSコメント(0)トラックバック (0)
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